確定申告の申告方法は白色と青色の2種類。違い・特典・メリットについて

確定申告の申告方法は白色と青色の2種類。違い・特典・メリットについて

確定申告は毎年2月中旬から3月15日までに税務署に税額を申告し、確定した税金を納税する一連の納税作業です。

フリーランスや個人事業主などの確定申告の申告方法には、白色申告と青色申告の2種類の申告方法があります。今回は白色申告と青色申告の違いやメリット、どちらの申告方法で申告した方が良いのかについて説明します。

目次

個人事業主の申告方法は白色申告と青色申告に2種類

冒頭でも説明しましたが、個人事業主の確定申告の申告方法は、白色申告と青色申告の2種類あり、どちらで申告するか選択することができます。(青色申告で申告する場合は条件あり)ちなみに個人ではなく法人の場合は「法人税の申告」というものがあります。

ざっくり白色申告と青色申告の違いを説明すると、白色申告は単式簿記で帳簿を記帳し特別控除がありません。

そして青色申告は白色申告に比べて、難易度が高い複式簿記で帳簿を記帳し、10万円と65万円の特別控除があり、赤字が出た場合は3年間繰り越し控除ができるなど様々なメリットがあります。

結論を言うと白色申告と青色申告のどちらで申告をしたほうが良いかは青色申告一択です。しかし青色申告で確定申告をするには事前に開業届けや青色申告申請書などを税務署に提出するなどの条件があります。

白色申告と青色申告の違いやメリットを表にまとめました。

白色申告と青色申告の比較表
項目/申告方法白色申告青色申告
事前の申し込みなしあり
帳簿の記帳必要必要
帳簿の記帳方法単式簿記
(シンプルで簡単な記帳)
複式簿記
(複雑で詳しい記帳)
控除なし10万円の控除と65万円の特別控除
赤字の繰り越しなし3年間繰り越しできる
家族の給与を経費にできるできないできない
30万円未満の一括減価償却特例なしあり

つまり白色申告は特別控除などの特典はないけど申告方法は簡単で、青色申告は特別控除や赤字繰り越しなどの様々な特典があるけど、申告方法は白色申告より難易度が高いということです。

具体的に白色申告と青色申告の内容について説明します。

白色申告とは

白色申告は税務署に事前に申し込みをする必要がなく、単式簿記という比較的簡単な記帳方法で帳簿を記帳し申告する方法です。ただし白色申告には特別控除などの特典がありません。

白色申告で申告する人は、会社員をしながら副業などの本業以外の所得がある人や個人事業主をはじめて間もない方などが申請をする傾向があります。

白色申告のメリット

白色申告は青色申告に比べて特別控除や赤字繰り越しなどの特典がないため、正直言うと節税上のメリットはありません。ただ青色申告に比べて事前に申請書を提出したり、帳簿記帳も青色申告比べると簡単な方式を採用しているので、帳簿付けの手軽さと申請書類の少なさというのがメリットではあります。

青色申告とは

青色申告は開業から2ヶ月以内か前年の3月15日までに税務署に事前に「所得税の青色申告承認申請書」を提出した人しか申告ができません。

また複式簿記という白色申告より難易度の高い記帳方法で帳簿を記帳すれば65万円の特別控除を受けることができます。

青色申告は白色申告に比べてメリットが多く、個人事業主で生計を立てている人の多くは青色申告で確定申告しているケースが多いです。個人事業主で今まで白色申告で申告していた人は、青色申告に切り替えて申告した方が大きな節税効果を得ることが期待できます。

青色申告のメリット

10万円と65万円の特別控除

青色申告の1番のメリットは特別控除があることです。青色申告の控除には10万円と65万円の2種類の特別控除があります。ざっくり説明すると納める税金が安くなります。

65万円の特別控除を受けるためには、複式簿記という単式簿記より難易度の高い帳簿付けでの申告、ある程度の事業規模があること、3月15日までの法定期限までに確定申告をするといった条件があります。

青色申告の特別控除
条件/申告方法10万円控除65万円控除
帳簿の記帳方法単式簿記複式簿記

これをみると白色申告と青色申告の10万円特別控除は、どちらも単式簿記の帳簿付けでの申告なので、白色申告で申告するより青色申告で申告した方がお得です。

赤字が3年間繰り越せる

事業をしていて赤字となってしまった場合は、3年間赤字が出た金額を相殺することができます。

例えば1年目に50万円の赤字が出て2年目は100万円の黒字が出た場合、白色申告の場合は2年目の確定申告の時に100万円が課税対象になりますが、青色申告の場合は2年目の100万円の黒字から、1年目の50万円の赤字を差し引いた50万円の部分が課税対象になります。

青色申告の場合:100万(2年目黒字)- 50万(1年目赤字)= 50万(課税対象)

家族への給料を経費にできる

家族が事業を手伝ってくれている場合、白色申告の場合はその給料を経費に当てることができませんが、青色申告の場合は全額経費に当てることができます。これを「青色専従者給与」と言います。

青色専従者給与を認めてもらうには、経費に当てようとする年の3月15日までに「青色事業専従者給与に関する届出書」税務署に提出しなくていけません。

自宅兼事務所にしている場合は家賃や光熱費は経費にできる

フリーランスで仕事している方は自宅を事務所にしている人もいるかと思いますが、青色申告の場合は家賃や電気代などの光熱費を経費に当てることができます。

30万円未満の一括減価償却特例

通常パソコンや車などの10万円以上する固定資産は減価償却と言って、耐用年数に応じて毎年分割して経費にしなくていけません。例えば20万円で購入したパソコン(サーバーとして使う目的以外)を経費に当てる場合は、20万円 ÷ 耐用年数(4年)= 5万円を経費にすることができます。

しかし青色申告の場合は30万円未満の固定資産なら一括で償却することができます。つまり上記で説明したパソコン代20万円が、すべてその年の経費に当てることができるので、お得に節税ができるというわけです。

青色申告の恩恵を受けるためには事業に専念すること

白色申告と青色申告の違いやメリットについて説明しました。上記を読んでいただけるとわかりますが、白色申告より青色申告の方が税制上のメリットが多いので、個人事業主の方は青色申告で確定申告をしたほうがメリットが大きいです。

しかし青色申告の恩恵を受けるためには、それなりに事業規模を拡大して、事前に申請書類など準備をし、毎月複式簿記による帳簿付けが必須です。複雑な記帳作業を効率化し事業に専念するためには、優秀な会計ツールが必要になってきます。

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